はじめに
部分実習で「子どもにどう声をかけたらいいかわからない」と悩んでいませんか。
この記事で分かることは、①観察してから声をかけるコツ、②短く伝える言葉の選び方、③子どもの気持ちを受け止める関わり方の3つです。あわせて、声かけでやりがちなNG例と、実習前に見直したいチェックリストも紹介します。
実習生と話していると、「子どもへの声かけが一番緊張した」という声はとても多く聞かれます。ある専門学校のクラスでは、部分実習を終えた学生20人に感想を聞いたところ、14人が「声かけの場面が一番不安だった」と答えたこともありました。
でも安心してください。最初から完璧な声かけができる人はいません。大切なのは、正しい言葉を探すことではなく、子どもの姿をよく見ながら、一人ひとりに合わせて関わろうとする姿勢です。
保育実習の部分実習で声かけに困る理由
「うまく話せなかったら」という不安の正体
部分実習を控えた学生から相談を受けると、「台本通りに話さないといけない気がする」「子どもが注目してくれないと評価が下がりそう」という声をよく聞きます。
しかし、声かけの目的は「正しい言葉を言うこと」ではありません。子どもの気持ちに寄り添いながら、安心して活動できるように関わることが本来の目的です。
子どもに注目してもらおうとする前に、まずは子どもの様子をよく見て、その子に合ったタイミングで声をかけることを意識してみましょう。この順番を変えるだけで、声かけへのハードルはぐっと下がります。
部分実習の声かけで意識したい3つの視点
視点①まずは子どもの様子をよく観察する
声をかける前に、子どもが今何をしているのかを観察してみましょう。
- 夢中で遊んでいるのか
- 少し困っているのか
- 友達と楽しそうに話しているのか
例えば製作コーナーで、年少児がハサミの扱いに手間取っている場面があったとします。すぐに「貸して」と手を出すのではなく、5秒ほど様子を見てから「手伝ってほしいところある?」と聞くだけで、子どもは自分のペースを尊重されたと感じやすくなります。
声をかける前にたった数秒観察する。この一手間があるかないかで、子どもの反応は大きく変わります。
視点②短く分かりやすい言葉で伝える
説明が長くなると、子どもは途中で話を聞き続けることが難しくなります。「一緒にやってみよう」「こっちに置いてみようか」というように、短く分かりやすい言葉を意識すると伝わりやすくなります。
年齢によって伝わりやすい言葉の長さも変わります。3歳児クラスでは「主語+動詞」だけのシンプルな一文を、5歳児クラスでは「〜だから、こうしてみよう」と理由を添えた言葉を使うと、納得して行動しやすくなる傾向があります。子どもの年齢や発達に合わせて、言葉の長さと理由の有無を調整してみましょう。
視点③子どもの気持ちをまず受け止める
子どもが思ったように動いてくれないこともあります。そんなときは、すぐに注意するのではなく、「そう思ったんだね」「やってみたかったんだね」と、まずは気持ちを受け止める言葉をかけてみましょう。
例えば、片付けの時間になっても遊びをやめたくない子がいたとします。「もう時間だから片付けて」とだけ伝えるより、「まだ遊びたかったんだね。あと1回やったら片付けようか」と気持ちを受け止めてから次の行動を提案すると、子どもも納得しやすくなります。
子どもは「分かってもらえた」と感じることで、安心して活動に参加しやすくなります。
部分実習の声かけでやりがちなNG例
話すことばかり考えてしまう
「何を話そう」と考えすぎると、子どもの様子が見えなくなってしまいます。まずは子どもをよく見て、その姿に合わせて声をかけることを意識しましょう。
間違えないように話そうとしすぎる
完璧な言葉を選ぼうとすると、かえって声が出なくなることがあります。少し言葉に詰まっても大丈夫です。笑顔で関わろうとする気持ちは、子どもにもきちんと伝わります。
また、一人で何とかしようと抱え込まず、困ったときは保育者に相談したり、助けを求めたりすることも大切です。実習は一人で頑張る場ではなく、保育者から学ぶ場でもあります。
部分実習前に確認したい声かけチェックリスト
実習に入る前に、以下の項目を確認しておくと当日の不安を減らせます。
- 声をかける前に子どもの様子を観察する習慣ができているか
- 年齢に合わせた短い言葉をいくつか用意できているか
- 子どもが思い通りに動かないときの受け止め言葉を考えてあるか
- 困ったときに相談する保育者・実習担当の先生を把握しているか
- 「正解の言葉」を探しすぎず、笑顔で関わる準備ができているか
このチェックリストは、部分実習だけでなく責任実習やその後の勤務でも役立ちます。
まとめ
部分実習で子どもへの声かけに困ったときは、次の3つを意識してみましょう。
- まず子どもの様子をよく見る
- 短く分かりやすい言葉で伝える
- 子どもの気持ちを受け止める
子どもへの声かけに「正解」はありません。一人ひとりの子どもの姿を見ながら関わることで、自分らしい声かけが少しずつ見つかっていきます。
最初は緊張して思うように話せなくても大丈夫です。保育者は日頃から子どもたちと信頼関係を築いています。一方、実習生は限られた時間の中で子どもと関わるため、同じようにいかなくても当然のことです。
大切なのは、保育者と比べることではなく、子どもの姿を見ながら自分なりに関わろうとすることです。実習を重ねる中で、子どもとの関わり方は少しずつ身についていきます。


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