部分実習の導入で何を話せばいいのか分からず、始まる前から不安になっていませんか。指導案は準備できても、いざ子どもたちの前に立つと言葉が出てこなくなる実習生は珍しくありません。この記事では、①導入前に準備しておきたいこと、②導入で意識したい3つのポイント、③よくある失敗とNG例への対処法、の3つが分かります。保育士として現場に立ち、専門学校で実習指導も担当してきた経験をもとに、明日からの部分実習にそのまま使えるポイントをまとめました。
部分実習の導入前に準備しておきたいこと
導入で慌てないためには、当日を迎える前の準備が半分以上を占めます。指導案は完成させて終わりではなく、実習開始の2〜3日前を目安に担当保育者へ一度見てもらい、活動の流れや声のかけ方について相談しておきましょう。「この活動は何分くらいで区切りますか」「子どもが集中していない様子のときはどうしますか」など、具体的な質問を1つでも用意しておくと、保育者からのアドバイスも受け取りやすくなります。
また、導入にかける時間の目安は1〜3分程度です。長く話しすぎると子どもの集中力が続かず、逆に短すぎると活動の見通しが伝わりません。事前に時計やスマートフォンのタイマーを見ながら、実際に声に出して1〜2回練習しておくと、当日の感覚をつかみやすくなります。可能であれば、練習の様子をスマートフォンで録音して聞き返してみるのもおすすめです。話す速さや声の大きさは、自分で思っているより早口になっていることが多く、客観的に確認できると当日の安心材料になります。
導入で意識したい3つのポイント
①笑顔であいさつをする
最初のあいさつは、子どもたちに「この人と一緒にいると安心できそう」と感じてもらう最初のチャンスです。「おはようございます」「今から一緒に○○をして遊びます」というシンプルな言葉を、笑顔でゆっくり話すことを心がけましょう。
緊張していると早口になりがちですが、いつもより半テンポ遅らせるくらいがちょうどよい速さです。また、声はクラス全体に聞こえる大きさが基本ですが、あえて少し小さめの声で話しかけると、「何だろう?」と子どもたちが自然に静かになり、集中して聞いてくれることもあります。
②子どもの興味を引く工夫をする
導入では、「これから何が始まるんだろう」とワクワクしてもらうことが目的です。絵本を1冊見せる、手遊びを1つ挟む、教材の一部だけをちらっと見せる、といった工夫を1つ取り入れるだけでも、子どもたちの視線は驚くほど集まります。
例えば絵本を使う場合は、3分前後で読み終えられる短めの1冊を選ぶと、導入のテンポを崩さずに本編へつなげやすくなります。また教材を見せる場合も、最初から全部を見せてしまうと活動本編で驚きが薄れてしまいます。「中身は後のお楽しみ」にしておくくらいが、導入から本編への流れを作りやすくなります。
③子どもの反応に合わせて進める
指導案どおりに進まないことは、部分実習ではよくあります。子どもが質問をしてきたり、急に別のことに興味を示したりする場面もあるでしょう。そんなときこそ慌てずに、まず子どもの反応を受け止めてから、活動に戻る言葉をかけることを意識しましょう。
そのためにも、実習生自身の立ち位置はとても重要です。一部の子どもだけでなく、部屋全体、できれば子ども全員の表情が視界に入る位置に立つようにすると、反応の変化に気づきやすくなり、声のかけ方や間の取り方を調整しやすくなります。
導入でよくある失敗とNG例
ここでは、部分実習の導入でつまずきやすい3つのNG例と、その場でできる対処法を紹介します。当てはまるものがないか、自分の指導案と照らし合わせてみてください。
NG例①緊張して早口で一方的に話してしまう
緊張すると、自分が話すことに意識が向きすぎてしまい、気づけば子どもたちの表情を見ないまま話し続けてしまうことがあります。対処法として、あいさつの前に軽く1回深呼吸をする、話し始める前に子ども全体を3秒ほど見渡してから声を出す、という2つを試してみましょう。それだけでも、話すスピードは自然と落ち着きます。
NG例②指導案どおりに進めようとしすぎる
指導案は大切な準備物ですが、その日の子どもの様子によって、多少進め方を変える柔軟さも必要です。「予定と違うことをしてはいけない」と思い込みすぎず、「今日の子どもたちに合わせて少し変える」という視点を持っておくと、当日の対応がしやすくなります。
NG例③沈黙が怖くて間を詰めすぎてしまう
子どもの反応がない時間が数秒続くと、実習生は「間が持たない」と感じて、次の言葉を焦って詰め込んでしまうことがあります。しかし、子どもにとっては、その数秒が「次は何だろう」と考える大切な時間でもあります。心の中で1、2、3と数えるくらいの間を意識してみましょう。
導入の直前、教材を配置してから活動を始めるまでの30秒ほどで、次の3点をさっと振り返っておくと落ち着いて始められます。
- 子ども全員の顔が見える位置に立てているか
- 最初に話す言葉(あいさつ+活動名)を声に出せる状態か
- 指導案どおりに進まなくても大丈夫、という気持ちの準備ができているか
まとめ
部分実習の導入では、①笑顔であいさつをする、②子どもの興味を引く工夫をする、③子どもの反応に合わせて進める、この3つを意識してみましょう。あわせて、早口・指導案への固執・間の詰めすぎ、という3つのNG例を避けることも、落ち着いた導入につながります。
導入は、最初から完璧に進めることが目的ではありません。子どもの様子を見ながら、一人ひとりとのやり取りを大切にしていくことで、実習生自身の「自分らしい導入」が少しずつできるようになっていきます。


コメント