この記事で分かること
- 保育実習中に保護者と顔を合わせる場面と、その時の基本の挨拶
- そのまま使える自己紹介・受け答えの例文
- 実習生が保護者対応で気をつけたい3つのこと
保育実習の準備をしていると、子どもとの関わり方や日誌のことばかり気になりますが、いざ実習が始まると「保護者の方に会った時、どうすればいいんだろう」と戸惑う学生さんはとても多いです。
朝の受け入れの時間、夕方のお迎えの時間。実習生は、思っているよりも保護者と顔を合わせます。その時に何も準備がないと、目が合った瞬間に固まってしまったり、逆に気をつかいすぎて余計なことを話してしまったりします。
この記事では、実習中に保護者と会う具体的な場面と、その時の挨拶の型、そして実習生だからこそ気をつけたいポイントを整理しました。読み終える頃には「これだけ覚えておけば大丈夫」という基準ができているはずです。
保育実習で保護者に会う場面は意外と多い
「実習生は保護者と関わらないもの」と思っている方もいますが、実際にはそうでもありません。よくあるのは次の3つの場面です。
朝の受け入れの時間
登園してきた子どもを迎える時間帯は、保護者が保育室の入口まで来ることが多く、実習生も自然と視界に入ります。荷物の整理を手伝っていたり、子どもと遊んでいたりする最中に、保護者と目が合う場面が出てきます。
夕方のお迎えの時間
お迎えの時間は、朝よりも保護者が室内に入ってくることが多く、会話が生まれやすい時間帯です。子どもが「今日ね、このお姉さん先生と遊んだ」と話すこともあり、そこから保護者に話しかけられるケースもあります。
行事や園庭での立ち話
運動会の練習を見に来た保護者、園庭開放、送迎バスの待ち時間など、園によっては保護者と近い距離になる場面があります。実習期間中に行事が重なると、この機会は増えます。
つまり、「関わらないつもりでいる」より「会った時のことを決めておく」ほうが、実習は確実に楽になります。
保育実習での保護者への挨拶|そのまま使える例文
基本は「おはようございます」と会釈だけで十分
まず前提としてお伝えしたいのは、実習生が保護者に長く話す必要はまったくないということです。
基本はこれだけで成立します。
- 朝:「おはようございます」+軽く会釈
- 夕方:「こんにちは」「失礼します」+軽く会釈
ポイントは、声の大きさよりも相手の顔を見て、口角を上げることです。緊張して小さい声になっても、表情が柔らかければ不快には受け取られません。逆に、うつむいたまま声だけ出すと、そっけない印象になってしまいます。
保育士の先生が挨拶しているタイミングに合わせて、同じように挨拶をする。これが一番自然で、迷いません。
自己紹介を求められた時の例文
保護者から「新しい先生ですか?」と聞かれることがあります。その時は、短く実習生であることを伝えれば十分です。
「おはようございます。今週から◯日まで、実習でお世話になっております、△△と申します。短い間ですが、よろしくお願いいたします。」
長く話す必要はありません。伝えるのは「実習生であること」「いつまでいるか」「名前」の3つだけです。
なお、下の名前だけで呼ばれる園、フルネームで紹介される園など、園によって方針が違います。初日のオリエンテーションで確認しておくと安心です。
声をかけられて答えに困った時の返し方
「うちの子、今日どうでしたか?」と聞かれると、実習生は一番困ります。答えたい気持ちはあっても、実習生が子どもの様子を評価して伝える立場ではないためです。
そんな時は、無理に答えず、こう返せば大丈夫です。
「私は実習生なので、担任の先生にお伝えしますね。少々お待ちください。」
「今日も元気に過ごされていましたよ。詳しくは担任の先生からお聞きいただけますか。」
答えられないことは、答えなくていい。これは逃げではなく、実習生として正しい判断です。むしろ、その場で担当保育士につなげられる学生は、現場から見ると信頼できます。
保護者対応で気をつけたい3つのこと
挨拶の型が決まったら、あとは次の3つを守るだけです。
① 子どもの様子を自分の判断で伝えない
「今日は元気がなかったです」「お友達とケンカしていました」といった内容を、実習生が自分の判断で保護者に伝えるのは避けましょう。
実習生から見えている場面は、その日の一部分でしかありません。前後の事情や、園と家庭の間でどんなやり取りがあるかを、実習生は把握できない立場にあります。良かれと思って伝えた一言が、保護者を不安にさせてしまうこともあります。
気づいたことは、保護者ではなく担当の保育士に伝える。これが基本です。
② 名前や写真の扱いに気をつける
実習中に知った子どもの名前、家庭の状況、園でのできごとは、すべて守秘義務の対象です。
- SNSに実習の写真や内容を投稿しない
- 園外で子どもや保護者の名前を口に出さない
- 日誌やメモを園の外に置き忘れない
- 保護者から個人的な連絡先を聞かれても、やんわり断る
実習中は緊張していて、つい友人に話したくなることもありますが、ここは徹底してください。守秘義務は、実習の評価というより、保育者としての土台です。
③ 分からないことは担当の保育士につなぐ
保護者から質問された、頼まれごとをされた、様子がいつもと違う。そう感じた時は、自分で判断せず、その場で保育士に伝えましょう。
「実習生に聞いてもしょうがない」と思われるのでは、と心配になるかもしれませんが、実際は逆です。自分で抱え込まずに報告できることが、実習生に一番求められている動き方です。
実習生からよくある質問
Q. 保護者に自分から挨拶しに行ったほうがいいですか?
自分から探して挨拶しに行く必要はありません。目が合った時、すれ違った時に挨拶できれば十分です。
Q. 実習生だと名乗ったほうがいいですか?
聞かれた時に名乗れば大丈夫です。園によっては、おたよりや掲示で実習生が入ることを保護者に伝えている場合もあります。初日に確認しておくと安心です。
Q. 挨拶したのに返してもらえなかったら?
気にしなくて大丈夫です。朝のお迎えは保護者も慌ただしく、聞こえていないことがほとんどです。自分が嫌われたわけではありません。
Q. 保護者と長く話し込んでしまいそうな時は?
「そろそろ保育に戻りますね」と一言添えて、自然に切り上げて構いません。実習生の本来の役割は、保育に入ることです。
前日までに確認しておきたいチェックリスト
実習が始まる前に、次の項目をチェックしておくと当日慌てません。
- 保護者に会った時の挨拶を、声に出して練習した
- 自己紹介の一文(実習生であること・期間・名前)を決めた
- 子どもの様子を聞かれた時の返し方を1つ覚えた
- 名前の呼ばれ方(下の名前かフルネームか)を園に確認した
- SNSに実習の内容を書かないと決めた
どれも1分もかからないことばかりですが、準備しているかどうかで当日の安心感がまったく違います。
まとめ
保育実習で保護者に会った時は、次のことを意識できれば大丈夫です。
- 基本は「おはようございます」+会釈。それだけで十分
- 自己紹介は「実習生であること・期間・名前」の3つだけ
- 子どもの様子を聞かれたら、無理に答えず担当の保育士につなぐ
- 気づいたことは保護者ではなく保育士に伝える
- 守秘義務は徹底する
実習生に完璧な保護者対応は求められていません。求められているのは、丁寧に挨拶することと、自分で判断せずにつなぐことの2つだけです。
緊張して当たり前です。少しずつ、自分のペースで実習に向かっていきましょう。

